「醍醐味」の意味について

こんにちは。「飴専門店 金扇」の店長 岩田です。先日、飴の勉強にと思い、日本人と砂糖の関係を中心とした砂糖の歴史に関する書籍を読んでたら「醍醐味」の意味(語源)を偶然知ってしまいました。とても「へぇ~!」と納得する内容でしたのでご紹介いたします。(「醍醐味」の意味が分かるまで少し長い話になります。笑)


醍醐味の意味(語源・由来)について

日本人は、昔から甘いもの(甘味)に目がありませんでした。それほど甘味は、味の中でも魅力的な味覚で、砂糖がなかった時代の古代の人は、いかに苦労して甘味料を入手したか、また、どんな甘味料を用いていたのでしょうか?

砂糖以前に、日本ではどんな甘味料があったか、食物史から探索してみると、蜂蜜、蘇、甘葛煎(あまずらせん。単に「甘葛」とも呼ぶそうです。)、飴などがその主なものです。蜂蜜や飴は今でも用いられていますが、蘇や甘葛煎は、現在実物を味わうチャンスはほとんどありません。甘葛煎は最も多量に用いられ、ごく普通の甘味料として重宝されたらしいですが、どのようなものであったかは不明な点が多いですが大体次のようなものだったようです。

甘葛煎は深山に自生する蔦(つた)の一種で、蔓(つる)の液体に濃い甘味料を含んでいます。秋から冬にかけて葉の紅葉する頃、松や杉にからんでいるものを、地上より少し上のところを切断し、そこから液を絞ります。この液汁は蜜のように甘く、甘味料として利用されてきました。奈良県や和歌山県では、今でもこれを採取する風習があるようです。

前置きが長くなってしまいましたが、いよいよ「醍醐味」の意味について説明します。笑
今ではお目にかかれないもう一つの甘味料は「蘇」です。これは動物質の甘味料になります。乳から酪(牛や羊の乳から製した飲料)を作り、酪から蘇を作り、蘇から「醍醐」を作ります。つまり、醍醐は乳製品になります。奈良朝の時代、すでに諸国に牧場があり、蘇が作られていました。その蘇は貢物(みつぎもの)の重要な一品で、薬用にされていました。「醍醐」は、酪の精汁で、蘇の上に浮かぶ油のようなものであり、その味が「甘味を極めた味」だったところから、これを「醍醐味」と呼ぶようになったようです。これが醍醐味の意味の語源です。「醍醐味」は薬用として珍重されましたが、のちに調味料としても使われるようになったということです。今で言えば極上の生クリームかチーズという表現ができるかもしれません。


以上が醍醐味の意味の説明です。
醍醐味という言葉が甘味料からきているとは知りませんでした。また、砂糖以外にも甘味料があるということも知りませんでした。深山に自生する蔦(つた)から摂取できる甘葛煎と動物の乳から採取できる蘇(醍醐)。ケーキや高級な和菓子などがない時代にはこれらの甘味がまさに醍醐味だったのかもしれませんね。一度食べてみたいです!


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