縁起物について(由来や歴史など)

「縁起物」や「縁起」という言葉はよく聞いたり話したりしますが、具体的にはどのような意味なのでしょうか? 辞書で「縁起物」、「縁起」の意味を調べるとこのように載っています。

【縁起】①いっさいの物事の起源。由来。②神社や寺の出来た事情。③吉凶の前兆。前ぶれ。さいさき。
【縁起物】さいさきを祝って飾るもの。

日本は八百万の神々の国です。昔からどんな物にもそれぞれの神様がいたので縁起物も様々な意味合いで使われているようです。それでは日本の縁起物の意味について具体的にご紹介します。




日本の縁起物の意味

縁起物は、五穀豊穣、大漁追福、商売繁盛、家内安全、無病息災、安寧長寿、夫婦円満、子孫繁栄、祖先崇拝や招福祈願、厄除祈念、合格祈願など多岐に渡ります。また、祭礼や縁日や市などの寺社の参道や境内や門前町・鳥居前町において参詣者に授与・販売する歴史的、文化的背景のあるものも縁起物を意味します。よく知られているものに東京・浅草の鷲(おおとり)神社の11月酉(とり)の日に行われる酉の市(いち)があり、このとき参詣者は熊手(くまで)、お多福面(たふくめん)などの縁起物を縁起を祝って購入します。日本古来の物として特殊な例としては祭りなどで選ばれた福男やなまはげなどの演者、力士など神の依り代になった人も縁起物とされます。季節ごとの滋養強壮の目的で長寿や薬事効果を期待して食された物として鰻や初鰹なども縁起物を意味するようです。


縁起物の由来

国内外、古今東西を問わず、数多の縁起物と言われるものがあります。その由来を紐解くと、共通しているのは、神仏の依代(よりしろ)や神仏を具体化したもの・神仏の威信を形にしたり象徴化したものもあれば、神仏を讃えたり神仏の祭儀に重要な道具類に見る事ができるのです。また、伝説や逸話から民族神話や風土に根付いた言い伝え・迷信のなかの具体例として象徴的になった例もあります。

※依代(よりしろ)…神霊の寄りつくもの。正月の年神の依代としての門松などのような特定の枝葉や花・樹木・岩石、あるいは形代(かたしろ)・よりましなど、きわめて種類が多い。


最近の縁起物

最近では受験シーズンになると、コンビニやスーパーなどで受験応援(合格祈願、必勝祈願)コーナーが設けられ、験を担いだ意味を持つ縁起物のお菓子等が並びます。

キットカット…受験シーズンの験担ぎ商品の元祖ともいわれる「キットカット」。  名称の「キットカット」が、「きっと勝つ」や九州弁で「きっと勝つと」に似ているということから、九州を中心に口コミで受験生の間に広がり、今では全国の受験生の縁起物として人気です。

ウカール…1968年の発売以来ロングセラー商品、カールのおじさんで有名な「カール」。  その「カール」が、受験シーズンの特別版として、名称の前に”ウ”が付けた「ウカール」としたパッケージで販売されます。「受験に受かる」という意味を込めた、うれしい語呂合わせですね。

Toppa1994年発売以来大人気の「Toppo」ですが、受験シーズンには期間限定で特別バージョンのパッケージでも発売されています。  「Toppo」の受験生応援商品のパッケージをよ~く見てみるとロゴが「Toppa」に!  頑張っている受験生に無事受験を突破「Toppa」して欲しいとの意味がこもった縁起物商品です。

ポッキー1960年代に発売されて以来ロングセラー商品「ポッキー」。  この「ポッキー」の名称を逆さに読むと“キッポー”=“吉報”の意味になると、縁起物の菓子として受験生に人気です。  「ポッキーでキッポー(吉報)!」受験勉強の息抜きにいかがでしょうか。



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