ここでは、お中元のマナーについて説明します。 昔から伝わるお中元のマナーさえ学んでおけば、楽しくお中元を贈る余裕が生まれます。 |
|
お中元とは、7月の初めから15日くらいの時期に、お世話になった人に贈り物をする習慣のことです。もともとは中国の行事で、1月15日を「上元」、7月15日を「中元」、10月15日を「下元」として行っていた祭のうち、中元だけが日本のお盆と結びついて残ったものです。現在のような習慣として定着したのは江戸時代といわれています。「日ごろの感謝を込めて」という意味合いが強いため、品物にはのしをかけ、表書きは筆文字の楷書体で書くなど、一定のマナーや形式が重んじられてきました。
相手に「喜ばれるもの」を贈ることが大切です。贈られる方に、あの人からはいつもお茶か海苔、インスタントコーヒーの詰合せ、缶ビールと、形式だけのギフトでは、意味がありません。贈る方の考え方や提案が、贈られた人のこころや生活をゆたかにすることが理想的です。そのためには、相手の家族構成(何人家族か?お子様はいるか?など)や年齢、好みをよく考えて品物を選びましょう。たとえば、お酒を飲まない方にお酒を贈っても喜ばれないので要注意です。一般的にはハムやお菓子などの食料品や、洗剤などの日用品が人気のようです。最近は地域の特産品など、ちょっとした楽しみの感じられる品も喜ばれるようです。一度贈って喜んでいただいたものなら、毎年同じものを贈るのも一つの考え方です。ただし、生ものの場合は、相手が長く家を空けている可能性を考え、事前に在宅を確認しておきましょう。
相手の好みに合わせて…金扇の選べるお中元ギフト
贈らなくてはいけないという決まりはありません。お中元は感謝の気持ちを伝えるものなので、誰に贈らなければならないと堅苦しく考える必要はありません。勤務先の上司や恩師、離れて暮らしている両親など日頃お世話になっている人や、ふだん会えない人に感謝の気持ちをこめて贈ります。会社の場合、社内のルール・マナーや慣習があることが多いので、まずは周囲に確認しましょう。仲人や媒酌人については、一つの目安として3年間は贈るべきといおうのがマナーのようです。学校の先生へ贈るのはNGです。ピアノやバレエなど、お子さんのお稽古ごとの先生に贈ることはあるようです。
夏という季節がら、保存がきないものを大量に…というのはマナーとして避けた方が良いでしょう。食べきれない場合の保存についても気配りをします。絵画やインテリアは好みがわかれる、場所をとる、等の理由で避けた方が良いでしょう。また、お中元は、お世話になった人に贈るという性質上、目上の方の場合が多くなるはず。その場合、「踏みつける」という意味を持つ履物類や、勤勉であることを奨励する意味を持つ時計、筆記用具類は避けた方が無難でしょう。
風呂敷に包んで持参するのが正式なマナーですが、遠方であったり忙しかったりとの理由から、最近は百貨店からの配送や宅配便で直接届けるのが一般的になっています。ただしその場合でも、届く頃を見計らって手紙や葉書の挨拶状を出した方が贈り先に好印象を与えることができます。品物に同封するか、または品物が届くよりも早く手紙が届くようにしましょう。内容は、日頃お世話になっていることへのお礼や近況報告、お中元を送ったということなどが一般的です。ごく親しい友人や身内に送るであれば、電話で送ったことを伝える程度でもかまいません。
贈ってくださった方の心遣いにはできるだけ早く応えるのがマナーです。無事受け取ったことを知らせるためにもお礼の挨拶は欠かせません。時候の挨拶に感謝の気持ちを添えたお礼状を出すのが基本ですが、ごく親しい間柄であったり、食料品、とくに生ものをいただいたときなどできるだけ早く報告したい時には電話やメールでもかまいません。また、お中元はあくまで感謝の気持ちを表すものなので、お返しは不要。ただし、友人や同僚、思いもかけない相手からいただいたときなどは、同程度のお返しを贈るのもよいでしょう。
東日本では7月の初めから15日まで、西日本では1ヵ月遅れの8月初めから15日までとされていますが、最近は地方に関わらず、7月の中ごろまでに届けるのが一般的なマナーになりつつあります。(関東地区では、早々に6月下旬に贈る方もいらっしゃるようです)。日ごろお世話になっている人に贈るものですから、時期をはずさないように届けるのがマナーですが、もし時期を逃してしまったら、7月15日以降は「暑中御伺い」、8月7日の立秋以降は「残暑御見舞」として贈ります。
お中元には、日頃の感謝の気持ちを表わす意味がありますので、贈り手、受け手のいずれが喪中でも問題ありません。但し、初七日が終わらぬ うちや、法要の日に持参するのはマナーとしてやはり避けた方が良いでしょう。デパートやお店などで相談し、外のしとして紅白の水引きの立派なのしを用いずに短冊のしなどのシンプルなのしにして頂く等の心遣いをしても良いと思います。 また、ご不幸があって間もないお宅にお中元を出す場合には、時期をずらして「暑中お見舞い」「暑中お伺い」や、「残暑お見舞い」「残暑お伺い」としても良いでしょう。
以上がお中元のマナーです。喜ばれるお中元にしましょう。
金扇のお中元セット
市販では味わえない本格派直火炊き飴を、まずは自分で試したい方はこちら。